男子大学生の日常

男子大学生の雑記ブログです

近況報告1004:自分の関心

21歳にもなっていまだに関心が拡散している自分が恥ずかしくて仕方がない。大学1,2年生の段階で「○○を大学院で研究したい」という目標を持てる人はどうやってテーマを決めているのだろう?

私がテーマを決定できない理由は、①人生の選択に慎重すぎる&②強烈な原体験がないの2つの理由によるもので、はっきり言って仕方がない。まだまだ人生は長いので、その時その時に興味を持ったことに取り組み、時間をかけて関心を決めたい(が、仕事に就いたら余暇の時間は少なくなるし、海外のジャーナルは読めなくなるし、仕事に関係ないテーマで大学院に進学して退職するのはキャリア上ハイリスクになるといった制約が容易に想像できるので、正直不安だ)。

しかし、全く絞れていないかと言われるとそうではない。例えば、化学を研究したいとは思わない。文学もない。

やはり、面白い!と思えるのは社会科学だ。

社会科学の中でも、特に方法論に好印象を持っているのは、社会学・経済学・生物学・心理学だ。生物学は社会科学で無いかもしれないが、社会ゲノミクス等の遺伝子研究や進化論の社会科学への応用研究はとても興味深いし、立派な社会科学だと思う。心理学はちゃんと勉強したことが無いので分からないが、人間の知覚(色とか反応とか)には興味ないし臨床心理学にも興味はない(つまり関心があるのは社会心理学行動経済学進化心理学)。

前からずっと言っているが、『ゲーム理論による社会科学の統合』を読んでみたい。書評によれば、生物学、心理学、経済学、社会学が統合対象らしい。統合の枠組みの基本要素として、a遺伝子と文化の共進化、b規範に関する社会心理学理論、cゲーム理論、d合理的主体のモデル、e複雑系の理論、の5つが挙げられているらしいが、上記の4学問が必要な理由が分かる。aは社会ゲノミクスや文化進化研究、cdはミクロ経済学や数理社会学、e複雑系でありABMで、どれも自分の関心ど真ん中だ。

自分の関心の核を明確にできるかもしれない。

 

しかし、問題はテーマだ。これまで労働・福祉・教育といった社会政策に関連する分野の勉強をしてきて、やっぱり政策学・実学(工学)をやりたいと感じ、シンクタンクへの就職を決めた。しかし、この分野のアカデミアの研究も普通に面白かった。

環境経済学開発経済学、国際関係論なども興味がある。

また、宗教・文化・社会意識にも最近は関心を持っている。こちらも勉強しててとても面白い。今勉強したいのが、「文化進化」研究で、文化と進化論の融合領域があるらしい。『文化進化の数理』『文化進化論』『文化がヒトを進化させた』の3冊が入門書としては良さそう。この手の研究における「文化」の定義は、私の過去の記事の「社会環境・社会構造」と恐らくほとんど一致しており、かなり広い。つまり、文化も自然淘汰されていくため、進化論の枠組みは活用できるということだと思う。遺伝子に焦点を絞った社会ゲノミクスはミクロレベルの作用に注目するのに対し、文化進化は文化というマクロレベルの作用に注目していると分類できそう。そして、ここでも数理モデリングとデータ解析が有効な方法論になっていて、スムーズに読めると思う。やはり生物学は社会現象にも十分適用可能だと感じる。また、文化全体を概略するためにイングルハート先生の『文化的進化論』も読みたい。

 

ということで、正直何も決まっていない自分が情けなく感じる。「どれもつまらない」ではなく「どれも面白い」なので、正直天国だが、専門性がないのは良い傾向ではないと思う。自分の経験上、テーマの知識をつけるのはそんなに難しいことじゃないと思う。1つのテーマ、半年くらいあればある程度の知識の全体像はつけられて、具体的な詳細なリサーチクエスチョンに入れる。で、方法論はどれもほとんど同じことをやっているので、正直どんなテーマでも出来ると思う。実際、社会学の方法論全般に精通している太郎丸先生は、色々なテーマの研究をしてる(非正規雇用、学問観、BMI…)。

 

まず最初に手を付けるべきなのは、科学と工学を分類することかもしれない。上記の私の関心の中には、明らかに社会政策や環境政策、途上国政策、外交政策、防衛政策などの具体的な政策に結びついた関心がある。その場合、科学志向、工学志向のどちらも必要だ。一方で、宗教や文化、社会意識などは介入を目標とするようなものではないため、科学志向の研究になる。

関心が定まらないのは、やはり「どれも浅すぎる」からなのか。もう少しそれぞれに深く取り組まなくては、自分が本当に関心があるのか分からないのかもしれない。ならば、今後の人生で、必死に勉強して、なんとか関心を絞っていくしか道はないのかもしれない。

一方で、最近は、研究者ではなく消費者のままでも良い気もしている。勉強は趣味としてすでに機能しているので、それだけで十分かもしれない。そもそも勉強が好きなだけで、研究に向いていない気もする。勉強していて先行研究で明らかにされていない気になった問いがあり、どうしても誰かが解いてくれるのを待ってられないような状況になったら研究しよう。