個人的に好きな歴史映画10
私は、高校生の頃、日本史や世界史が大好きだったので、歴史映画は見ていて面白かった。
歴史的事件や出来事に「フォーカスした」映画を含めている(厳密な事実性は問わない)。
なお、戦争にフォーカスした映画は戦争映画でまとめている。
①『タイタニック』(1997)
言わずと知れた名作。私の最も好きな映画の1つだ。
ラブロマンスとしてのストーリーは当然良いし、とっても豪華なタイタニックの内装とそこから沈没に至るまでの破滅の展開は一分も飽きることなく観ることができる。ドラマだがアトラクション的な緊張感もある、完璧に近い作品。
あと、青年時代のディカプリオがめっちゃイケメン。
全く関係ないのだが、機械学習の授業で、タイタニック号の沈没で死亡したか否かを分類するモデルを作れという課題が出た時に、この映画の人々の情報が若干役に立った。
②『アルゴ』(2012)
イラン革命時のアメリカ大使館占拠事件を扱った映画。全体的なストーリーは見やすく面白い。
特に、実際に作戦を決行する空港の一連のシーンは緊張感がある。CIAの本局で、上司が部下に「そのくらい調べろ。諜報員だろ」と怒鳴りつけるシーンが好きだ。
③『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)
ビンラディン殺害までの流れを描いた話。キャスリン・ビグロー監督の映画は本作品と『ハート・ロッカー』を見た。どちらも面白いが、監督が女性だと知った時はびっくりした。
④『それでも夜は明ける』(2013)
初めて見たのは、中学生の頃だったが、痛ましいむち打ちのシーンや首吊りのシーンは今でも鮮明に記憶しているので、それほど強烈な印象を与える映画だということだ。
私はクリスチャンなので、奴隷として黒人を酷使している白人も、苦しんでいる黒人もどちらも聖書や讃美歌に依拠している点が印象深かった。つまり、同じ内容であっても、解釈によって真反対の思想の根拠として用いられかねないということだ。
また、ストーリーの最後も完全なハッピーエンドで終わっているわけではなく、「本当に夜は明けたのか?」と思ってしまう。
⑤『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015)
私は社会学と経済学を学んでいるので、経済問題を直接扱った本作は個人的に面白かった。
しかし、歴史映画なので、結末は容易に予想できるし、社会的メッセージも比較的ありがちな内容なので、強い魅力には欠ける。
また、観客向けに分かりやすく解説する(ことを意図した)シーンがあるものの、全体的に概念と因果パスが分からないと楽しめないし、3グループの別々の動向を同時に見せるので猶更分かりにくくなっている。このサイトが比較的分かりやすいので、鑑賞前に勉強してから見る方が良いかもしれない。
⑥『サウルの息子』(2015)
アウシュビッツ強制収容所で、同胞の殺害を手伝うことで死の猶予が与えられるというユダヤ人集団を描いた作品。なんて恐ろしいシステムなのだろうか。
単純に、強制収容所の虐殺シーンが生々しく出てくるが、これほどストレートな映画はかなり珍しいと思う。
個人的に、映像で見せることでインパクトを与えるのが映像メディアの強みだと考えていて、それを体現した作品。本の方が解釈が固定化されないという点で良いという意見も分かるが、むしろ実際の現場の悲惨さを見ることで「合理的・客観的」な議論に釘を刺している(事件は会議室で起きているのではない!)。
⑦『ハドソン川の奇跡』(2016)
実話と言っても日本人には無縁だが、物語として楽しめる。
特に、法定での シミュレーションのシーンは面白い。
⑧『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2017)
ニクソン政権の時に、歴代の大統領がベトナム戦争の戦況について国民に嘘の説明をしていたことを示唆する資料の内容をワシントンポストが暴露した話。
報道機関に関する映画では、本作と『スポットライト 世紀のスクープ』が良作。
スピルバーグ監督、メリル・ストリープ、トム・ハンクスと手堅い陣営。
「権力の監視役としての報道機関」というのも最近は聞かなくなったが、権力に抗って民主主義を守る姿はやはり感動するものがある。
また、個人的には、ジェンダーの視点がかなり入っていることも特徴だと思った。
最後にウォーターゲート事件に繋がっていくが、当事件は『ザ・シークレットマン』で描かれている。
⑨『ジョジョ・ラビット』(2019)
ドラマ映画の枠が無かったのでこちらに入れた。
ナチスをコミカルに描いたのは形式的には「挑戦的」だが、中身は意外と普通の映画だった。
ちなみに、本作のジョジョはジョセフ・ジョースターとは違ってドイツ人側であり、むしろシュトロハイムのような思想を持っている。
エルサの「あなたはナチスじゃない」の発言と、最後の方のジョジョのエルサに対するあれこれ、キャプテンKがジョジョを助けるシーンは好きだ(キャプテンKはゲイだからナチスに反抗したらしいが、映画ではゲイをほのめかすシーンがどこにもなかった)。
また、ゲシュタポの恐ろしさや子どもを戦場に行かせるシーンの恐ろしさは鮮明に伝わった。
1つ疑問だったのは、なぜドイツ人の登場人物が英語を話しているのか。ジョジョがアメリカ人に捕まった時に「言葉が分からないよ」と言っていたが、「お前英語じゃねえか」って思ってしまった。
そして、ヨーキーという男の子が個人的には大好きである。
⑩『シカゴ7裁判』(2020)
私が好きなアーロン・ソーキンが監督及び脚本を担当している。
『ノマドランド』や『ミナリ』が出る前は、オスカーを取るのではと目されていた。
全体的にスピード感のある法廷劇で、見ていて心地よい。
最後のシーンには感動する。